IPO 上場審査

【あなたの会社は大丈夫?】上場審査に落ちる理由5選

こんにちはでんでんまるです。

この記事をオススメする読者

この記事は会社の業績が順調に伸びており、そろそろ上場準備を検討したい、IPOを目指そうかな?と考えていらっしゃる社長やCFOの方向けの記事となっています。

「他社やネットの上方だと上場審査に進んだはいいけど途中で審査が停止してしまって落ちてしまった」というような話を聞くけど実際のところはどうなのだろうか?というようなお悩みに対して今回は解説していきたいと思います。

この記事を読むとどうなるか

上場審査において審査ストップとなり、上場が延期ないしは中止となってしまう事例を知ることができます。

この記事の信頼性・筆者のキャリア

筆者は、派遣のアルバイト、タクシー運転手、タクシー会社の運行管理者(内勤業務)、経理、法務等の業務経験を積んだ後、経理BPOや、内部統制コンサルティングで独立し、その後IPOチャレンジ企業にCFOとして入社し、3回の延期を経て30代前半のときに、高卒CFOとしてIPOを達成した経験を持っています。
証券会社の仮審査対応、本審査対応から東証審査まですべてをプロジェクト責任者兼プレーヤーとして対応しクリアしてきた実績があります。

東証や証券会社が正式には公表していない生の現場の声も含めて解説していきます。

 

上場審査に落ちる理由5選

1.業績が予算未達成

証券会社の人が言うには、業績が未達成のため上場審査に落ちる、または上場審査というステージに進むことすらできないという会社が全体の7~8割を占めているそうです。

東証としては上場申請をする会社を落とそうとしているわけではなく、上場させても大丈夫か?という観点で審査をします。

上場をした後は投資家に対して、決められた期日に決められた法定開示書類を作成する必要があったり、業績予想を公表し株主に対してコミットした業績をきちんと達成していくことが求められます。

一番のベースとなる業績が予算に対して未達成となることは、上場した後も下方修正をする可能性があるため、審査においては極めてシビアに見られます。

2.予算と実績の乖離が大きい

次に1.の業績が予算達成も含みますが、予算と実績の乖離があまりに大きい場合は予算策定能力に問題があるとして審査がストップすることがあります。

具体的には、実際に上場した後には適時開示の基準として売上高で10%以上、利益基準で30%以上乖離することがわかった時点で業績予想の修正の適時開示をしなければなりません。

それに向けて上場準備の段階から、予算と実績の差異分析は非常に高い精度で運用が求められます。

「予算に対して上振れていれば良いのではないか?」と思われる方もいらっしゃいますが、あまりに過去の実績から乖離した根拠の無い予算を作成することも予算作成プロセスに問題があるとされて審査がストップしてしまう可能性があります。

3.事後稟議が多い

上場を目指す会社は、適切に権限委譲がなされた組織的な経営を求められます。別の言い方をすると、社長や一部の役員に決裁権限が集中することなく、金額基準や決定する内容によって、ワークフローや稟議書での事前承認のルール構築と、ルールに基づく運用実績の積み上げを求められます。

稟議の運用を求められる具体的な例をあげると以下のようなものがあります。

  • 金額に関わらず交際費の支出
  • 1件10万円を超える費用の支出
  • 新規の得意先との取引
  • 新規の仕入先との取引
  • 固定資産の取得・除却

特に交際費等は、公私混同が起こりやすく近年の審査のトレンドとしては金額基準を設けずにすべて事前申請にするようにとの指導が入ることが多いです。

これらの稟議の事前申請がきちんと運用できずに事後稟議が発生すると、内部管理体制に問題があるとされて審査がストップしてしまう可能性があります。

4.社長の公私混同がやめられない

上場を目指すということは会社を「公の器(パブリックカンパニー)」にするということであり、外部からの資本も入るため会社を私物化するような行為は一切認められません。

例えば、中小企業のオーナー社長にありがちな公私混同は以下のようなものがあります。

  • 社長の配偶者を役員に入れ多額の役員報酬を支払う
  • 高級車を社用車としほとんど私的に利用する
  • 社長の愛人を従業員として雇用し実態の無い給与を支払う
  • 社長の自宅を会社名義で購入する
  • 交際費と称してプライベートの飲み代を経費計上する

これらのことは税務的にも問題がありますし、上場を目指す会社としてはあるまじき行為ですので必ず上場を目指す初期段階のショートレビュー(短期調査)の段階でこのような公私混同が無いかの確認がされます。

ショートレビューではうまくごまかしても監査法人との監査契約をし、財務諸表の監査が進む過程で必ず明るみに出ますので虚偽の内容を監査法人や証券会社に伝えるのではなく、素直に事実を認めただちにやめるひつようがあります。

5.未払い残業代があとから発覚した

上場をめざす企業は、ありとあらゆる観点でコンプライアンス管理を求められます。労務管理の観点では、未払残業代が無いかということは非常に重要な論点となります。

証券会社がしっかりコンサルしてくれる場合は、労務デューデリジェンスを受けて給与計算の前提条件の確認から勤務実態の確認まで行い未払い残業代が無いかどうかを早い段階で確認し事前に論点を潰しこみます。

しかし、証券会社や担当者によってコンサルのレベルは変わるため労務デューデリジェンスまで行わないケースがあります。
実際にあった事例として「インセンティブに対する残業代」が未払であることが上場審査の過程で明らかになり、審査がストップしてしまったという会社もあります。

問題を未然に防ぐにはどうしたら良いか

上場審査に落ちてしまう代表的な5つの理由を紹介しましたが、これらの問題を未然に防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?

それはズバリ「IPO経験者を採用して問題を網羅的に把握し対策をする」ことです。
筆者の会社では、上場準備初期段階では上場準備経験者無しでプロパーメンバーだけで上場を目指そう!と意気込んでいたのですが、公開引受部のコンサルティング段階で後から後からポツポツと問題が出てきて、結果として3年も上場申請が延期となってしまいました。

その間も上場申請に必要な監査法人の監査契約コストや社外役員のコストは掛かり続けてしまうため会社にとっては大きな損失となります。

これらの損失を未然に防ぐには、すべての工程をきちんと経験した経験者をプロジェクト責任者として採用することです。

IPO経験者を採用する方法

ではどのようにIPO経験者を採用すれば良いのか?

IPOプロジェクト責任者や、プロジェクトメンバーになり得る管理系人材を採用したいのであれば、
管理系人材、士業人材に特化した人材エージェント「MSジャパン」がオススメです。

【管理部門特化型エージェントNo.1のMS-Japan】

本格的に上場準備を目指す方は一度相談してみましょう。

さらに興味がある方はこちらの記事もオススメです。

上場準備は本当に徹夜する?上場準備する人が覚悟するべき5つのこと

 

-IPO, 上場審査

© 2025 高卒上場企業CFOブログ